はじめに
こんにちは、司法書士AXIS法務事務所です。
今回は、「負債になってしまう不動産」について解説いたします。
事例
Cさんは、両親を亡くして、両親の住んでいた実家と土地を相続しました。
Cさんはすでに違う土地に住んでいましたが、「土地=資産になる」と考え、とりあえず相続しようと思ったようです。
しかし、この安易な相続が、不幸をよんでしまいます。
土地を相続した者には、固定資産税の支払いが待っています。
Cさんが支払っている固定資産税の額は、おおよそ年間3万円ほど。
毎年の支払いが負担になると感じてきたCさんは、家と土地を売りに出すことにしました。
早速、不動産業者に買取を依頼しましたが、「家屋が老朽化していて、このままでは買い手がつかない」と言われたため、家の取り壊し費用150万円をかけて土地を更地にしました。
「これで200万くらいで売れれば、多少プラスになるだろう」と考えていたCさん。しかし一向に買い手がつく気配はありません。
売値を100万、50万と下げ、ついにはタダ同然で放出することにしましたが、それでも売れなくて途方に暮れてしまいました。
つまり、この時点でこの土地は「負債を生み出す不動産」になってしまったのです。
そして、さらなる不幸がCさんを襲います。
なんと年間3万円ほどだった固定資産税の支払いが、6万円に増えていたのです。
え?どうして・・・?
理由は、家を取り壊したためです。
現在、「土地の上に家屋が建っている場合は、固定資産税の支払いが半額ほどに減額される」といった措置がありますが、この措置が適応されなくなったため、固定資産税の支払い額が跳ね上がってしまったのです。
そして、このような売り手がつかない負債不動産は全国各地に存在します。その持ち主のほぼすべての方がCさんと同じように「どうすることもできなく、固定資産税だけを支払い続けている」状態なのです。
まとめ
1,不動産は必ずしも資産になるわけではない。
2、売れないと固定資産税だけを支払い続けることになる。
3、家屋を取り壊すと、固定資産税が跳ね上がる。
4、安易な不動産相続は大変危険。
相続時の不動産の取扱いは判断が難しく、手放すのも難しいことから、できれば一度専門家に相談されることをおすすめいたします。
当事務所でも1時間無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。