相続事例2 不動産の名義変更と生命保険の活用

はじめに

こんにちは、司法書士AXIS法務事務所です。
第2回は「不動産と生命保険の取り扱い」について解説させていただきます。

今回のケース

1,夫(Aさん)は事業の失敗の借金が2,000万円ある。
2,今まで家族には言えなかったが、ガン告知をきっかけに告白。
3,自宅はAさん名義になっている。
4,Aさんの死後、相続放棄をすると借金は消える。
5,相続放棄すると自宅と預貯金も受け取れなくなる。
6,できれば、自宅と預貯金を家族に遺したい。

家族にも罪悪感から、借金があることを打ち明けられない方は多くいらっしゃいます。しかし、ずっと黙っているわけにもいきませんよね。

今回は、ガンという大病を機に家族に告白したケースです。

Aさんは家族に「家と預貯金」を遺したいと考えているようです。

なんとなく、「家はAさんが存命のうちに、家族に名義を移せばいいだろう」といったイメージがありますが、実はこれは「財産隠し」にあたる場合があり、法的な責任も発生しかねません。

また、預貯金についても、相続放棄してしまうと受け取れませんし、預貯金より借金の額が大きいため、相続を選んでもメリットはなさそうです。

では、どうしたらAさんの希望を叶えることができるのでしょうか。

相続手続きの例

まず、家を遺す方法について考えてみましょう。
先程も説明させていただいたように、単純に名義を移すとなると問題が起こります。

なので、「Aさんから家族の方が家を買う」という手続きを行って、名義を変更することにします。(今回は配偶者のBさんが購入します)

このようにして、家の代金はAさんに支払えば、「購入」という形になり、単純な名義移し(財産隠し)には当たらなくなります。

次に、預貯金について。

預貯金はそのままの形では相続のときに受け取ることは難しそうです。
そこで、違う形で受け取れるようにする方法をとります。それが「生命保険」です。

生命保険は相続放棄しても、受け取ることができるものなのです。

具体的な方法としては、預貯金の範囲でAさんに生命保険をかけ、Aさんの死後に生命保険を受け取るというものです。

ガンなどの大病を患っていても入れる保険というのは一部あります。

Aさんも、死亡時に保険金が出る条件で入れる保険をみつけましたので、これを使って家族にお金を遺したいと思います。

(補足)ガンなどで入れる保険は、死亡保障特約がつけれない場合や、保険料が高めなどのデメリットが発生することもあります。これはケースによって異なりますので、あわせてご相談ください。

これで家と預貯金を家族に遺すことができました。

Aさんが亡くなった後は、全相続人が相続放棄を選択することで、借金を背負うことはなくなります。

まとめ

1,単純な名義移しは「財産隠し」にあたる可能性がある。
2,生命保険は相続放棄しても受け取ることができる。

今回は、一般的に勘違いしやすい家の名義変更と生命保険についてご説明いたしました。

もちろん、どのケースも状況が全く同じということはありませんので、参考として覚えていただければと思います。

もし現在の状況などで何かお悩みでしたら、1時間無料相談も受け付けております。お気軽にご相談いただければ幸いです。

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