相続事例7 相続放棄をしたのに不動産の管理義務が発生したケース

はじめに

こんにちは、司法書士AXIS法務事務所です。
今回は、「不動産の管理義務」について解説いたします。

相続放棄を選んだのに、不動産の管理義務が残ってしまった。そんなケースをみていきましょう。

事例

父親のCさんを亡くしたAさんとBさんは、相続放棄を選びます。

実家は老朽化がかなり進んでおり直して住むのにも出費がかさむし、加えて固定資産税の支払い義務も発生するため、相続しても負債になると考えたからです。

しかし、相続放棄からしばらくののち、2人のもとに行政から指導が入ります。
実家の修繕を求めるものでした。

 

相続放棄をしたはずなのに、何故!?

 

実は、相続放棄をしても不動産の管理義務が残る条件(法律)があります。
それは、「相続放棄によって不動産の相続人がいなくなったとき、法定相続人に不動産の管理義務が発生する」というものです。

法定相続人とは、「ある人が亡くなったときの相続人は配偶者と子ども」と決められているように、法律上定められている相続人です。

今回のケースでは、AさんとBさんのどちらにも不動産の管理義務が発生します。2人の相続順位が一緒なら双方に義務が課せられるのが、この条件にあてはまってしまった場合の特徴です。

このケースでとれる選択肢

では、どのように解決すると良いのでしょうか。
この状況では、大きく分けて2つの方法が考えられます。

1つめは、このまま実家の改修を続けて、だましだまし維持していく方法です。

この方法では根本的な解決にはならず、建物を維持する費用がずっと発生します。
AさんやBさんに子どもがいれば、子どもの代にもその費用の負担を強いることになってしまいます。

2つめは、家庭裁判所で相続財産管理人の選任を申し立てる方法です。

不動産の管理義務を第三者の手に渡すことになるため、自分たちは義務から逃れられます。

この部分だけ聞けばメリットだらけの方法に思えますが、1点だけデメリットも存在します。

それは、申し立ての際に予納金の支払いが必要なことです。この予納金というのは、相続財産管理人の経費などに充てられるものです。

予納金は高額になる場合もあり(都市部になると高額になりやすい)、そうなればこの方法をとるのも容易ではなくなってしまいます。

一番良い方法は、そもそも不動産管理義務が発生しないよう、前もって対策をしておくことです。

まとめ

1,相続放棄しても不動産の管理義務が残るときがある。
2,その条件は、相続放棄で不動産の管理人が不在のとき。
3,相続財産管理人の選任で逃れることができる

相続時の不動産の取扱いは判断が難しく、手放すのも簡単ではありません。できれば一度専門家に相談されることをおすすめいたします。

当事務所にて1時間無料相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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